ロスカットとは?初心者が知っておくべき意味【失敗しないロスカット】

まったりFXビギナー
ロスカットって何なんですか?意味からわかりません。押さえておくべき注意点とかありますか?その上で、ロスカットってどう対応したらいいですか?
目次
1.ロスカットとは?初心者が知っておくべき意味
2.初心者が失敗しないロスカット回避の仕方
記事を書いている私は、FXトレーダー歴7年。1年半のFX下積み体験を経て、現在もFX技術向上のために日々努力を続けながらFXトレーダーとして活動しています。
FXのロスカットに関して、実体験をふまえて解説します。
ロスカットとは?初心者が知っておくべき意味
ロスカットとは?
FX会社が定めた水準以上の「含み損」になった場合、保有ポジションが強制的に決済されてしまうことを言います。『強制ロスカット』とも呼ばれる仕組みです。
FX取引では、ポジションを保有してから決済を行うまでの状態では必ず「含み益」と「含み損」と呼ばれるどちらかの状態にあります。
この状態は利益でも損失でもなく、決済するまでの途中経過です。
「含み益」とは確定していない利益になり口座残高が未確定ではありますが増えている状態であり、逆に「含み損」とは確定していない損失になり口座残高が未確定ではありますが減っている状態です。
ここで、口座残高があるということは自分自身が抱えることが出来る「含み損」の上限が存在することになります。
「含み益」の場合は、口座残高が増えている状態を示すことになるので上限は関係しませんが、「含み損」の場合は、未確定の損失が大きくなり上限に到達するということは口座の残高がゼロになることを意味します。
口座残高がゼロになったことでポジションが決済された場合、良い状態ではありませんがそれ以上の損失なくなります。
しかし、「含み損」の拡大をそのままにしていた場合、FX会社に対して借金をしてしまう状態となり最悪の状況となります。
『ロスカット』とは、このような最悪の状況を回避するための仕組みです。
因みに、各FX会社が定める『強制ロスカット』は、口座残高がゼロになる手前で決済されることになります。
具体的に、『強制ロスカット』になる場合の状況とは、「証拠金維持率」が各FX会社の定める水準以下になることです。各FX会社が定めるロスカット水準とは、どの会社もほぼ100%以下です。
よくある質問:「証拠金維持率」とは?
各FX会社が定める「強制ロスカット」の水準を決める基準です。
「証拠金維持率」の計算方法は下記のようになります。
「証拠金維持率」=「有効証拠金」÷「ポジション必要証拠金」×100
- 「有効証拠金」=「口座残高」-「損益」
- 「ポジション必要証拠金」=保有通貨すべての「必要証拠金」の合計
- 「必要証拠金」=「保有ポジション価格」×(枚数)×(レバレッジ)
では、『強制ロスカット』となるシミュレーションをしてみましょう。
※計算をわかりやすくするために細かい情報(ロスカット手数料など)を考慮しないシミュレーションとなります。
・レバレッジは25倍
・FX口座に70,000円入金済み
・現時点で、USDJPY(ドル円)のみ保有中
・USDJPY(ドル円)[1ドル=100円]1万通貨の買いポジション保有中
・現時点での価格が1ドル=99円になり、含み損を10,000円抱えている。
・証拠金維持率が100%以下になると、強制ロスカットされてしまう。
まず、必要となる項目の数値を計算しましょう。
必要証拠金
(100円)×(10,000通貨)÷(25)=40,000
結果、買いポジション保有時点で40,000円の必要証拠金が必要になります。
有効証拠金
(口座残高)-(損益)=「有効証拠金」
(70,000円)-(10,000円)=60,000円
結果、買いポジション保有中の「含み損」のため現在の有効証拠金は60,000円になります。
証拠金維持率
「有効証拠金」÷「ポジション必要証拠金」×100=「証拠金維持率」
今回の計算では、1通貨のみなので「ポジション必要証拠金」が1つで計算できますが、複数持っている場合、すべて計算した上ですべてを合計した数字になります。
(60,000円)÷(40,000円)×(100)=150%
結果、現在の「証拠金維持率」は150%となります。
ここまでで必要項目の数値が出たので、『強制ロスカット』までを計算しましょう。
この場合1通貨のポジションしか保有していないので、「有効証拠金」=「必要証拠金」で「証拠金維持率」は、100%となります。
なので、有効証拠金が40,000円になった時点が100%になります。
現在1ドル=99円での有効証拠金が60,000円から「証拠金維持率」100%の有効証拠金が40,000円を引くことでロスカットまでの含み損を耐えることのできる数字が出てきます。
(60,000円)-(40,000円)=20,000円
以上より、この後、「含み損」を耐えることのできる金額は20000円となります。
1ドル=100円が1ドル=99円より、1円下がることで10,000円の含み損になってしまうことを踏まえると、2円下がり1ドル=97円となってしまう場合、「含み損」が20,000円となってしまうことになります。
結果この時点で、『強制ロスカット』となってしまいます。
ここまでで、シミュレーション条件での『強制ロスカット』計算は終了です。
よくある質問:上記のようなロスカットの計算って覚えていた方がいいのですか?
正直いらないと思います。
基本、知っていることに越したことはないですが、どのFX会社でも口座表示をしてくれるところに上記に説明した「証拠金維持率」などの項目があり、同時に数字が表示さえているので、その場所を確認するだけで充分です。
必要なことは、口座を持っているFX会社のロスカット基準となる「証拠金維持率」の数字を理解しておくことです。
国内FX会社3社のロスカット基準である「証拠金維持率」を紹介します。
(2020年5月時点)
よくある質問:ロスカットのリスクって他にありますか?
ロスカットが原因で口座残高がゼロやマイナスになる可能性です。
FX取引を行う相場市場では、基本緩やかな動きでチャートを作っていますが、ごくたまに急激な動きをすることがあります。
そんな場合に、保有ポジションの価格がロスカット付近にいると一気に動くことでロスカットが間に合わなくて変動後の価格で決済されてしまうのです。
これらの原因は、経済指標や各国首脳の発言、各国の抱える情勢問題だったりします。
その上、マイナスになった場合、しっかりマイナス分をFX会社に払っておかないと法的措置を取られる可能性も出てきます。
結論として、このように口座残高がゼロやマイナスになってしまう可能性があるので、長くポジションを持ってFX取引を考えているなら、自分自身での情報収集も必要になります。
初心者が失敗しないロスカット回避の仕方
3つの回避方法があります。
- ロスカットをされにくくするために証拠金維持率を高めに設定する。
- ロスカットをされそうになったら口座に追加入金をする。
- ロスカットを考えなくて良いトレード方法を選択する。
1.ロスカットをされにくくするために証拠金維持率を高めに設定する
証拠金維持率が高い状態を保つことでロスカットの可能性を少なくすることです。
この考え方のポイントは、ざっくりと証拠金維持率を計算して2000%以上になるような通貨単位で取引を行うとロスカットされる可能性が少なくなることです。
その上、証拠金維持率をもっと大きくすれば、もっと可能性は少なくなります。
やり方としては、2つのアプローチがあります。
- 口座に入金する金額を増やすやり方
- 取引を行う通貨単位を減らすやり方
どちらかのやり方でも対応すること可能です。
どちらもメリット・デメリットがあるので自分に合ったスタイルで行うことがベストです。
最後に、注意しなければならないのは、あくまで可能性の減少でしかないので絶対ではないところです。
2.ロスカットをされそうになったら口座に追加入金をする
各FX会社は証拠金維持率が100%以下になると、通知が来ることが多いです。
このタイミングで口座に新たに入金することで残高を増やすことが出来、証拠金維持率を上げることが出来ます。
口座に入金する金額の大きさで口座残高の増加が大きく変わるので、ロスカットの可能性も大きく変わってしまいます。
なので、入金する金額は多ければ多いほど証拠金維持率は高く持ち直します。
しかし、多少の資金での入金を選択すると、結果ロスカットされることが多いので注意が必要です。
特に、入金する金額は最初口座に入金した金額以上入金しないと、思った以上に証拠金維持率は回復しません。
その上で、注意しなければならないのは、証拠金維持率が回復して損失にはなっていないだけで、いつ「含み損」が「含み益」になるのかは相場状況によっての変化次第なので、どれだけでも長い時間がかかる可能性があります。
さらにまだロスカットされる可能性がそのまま残っていることの2点です。
3.ロスカットを考えなくて良いやり方を選択する
ポジションを保有したら、同時に損切りを設定するやり方です。
1回の取引の最初に「含み損」のゴールを設定しておくことで、1回の取引でロスカットされてしまい口座残高の大部分がなくなるということがなくなります。
これは資金管理やリスク管理と呼ばれる考え方にです。
例えば、1度の取引で2.5%の「含み損」になったら決済するというように設定した場合、どれだけ損切りされてしまっても単純計算で40回損切りされないと口座に入金した金額がなくならないということになります。
現実には40回損切りされる前に取引ができなくなってしまいます。しかし、口座に入金する金額で変化はしますが、20~25回はFX取引にチャレンジ出来る計算になります。
それに、2.5%を2.0%に下げるだけでもう少しチャレンジ回数も上がります。
自分自身に問いかけて、ベストな「損切り」のゴールを決めることが最適です。
よくある質問:おすすめのロスカット回避のやり方ってどれですか?
上記の3つの内だと、3番目の方法が理想だと思います。
FX取引を行うにあたって、一番の問題は一度で資金がなくなることです。これを回避するのに一番適している方法になります。
実際、私もこの方法で行っていて、2.5%の「損切り」ゴールを設定してFX取引をしています。
まとめ
2.初心者が失敗しないロスカット回避の仕方
・ロスカットをされにくくするために証拠金維持率を高めに設定する。
・ロスカットをされそうになったら口座に追加入金をする。
・ロスカットを考えなくて良いトレード方法を選択する。